3.FP1級の受験資格(実務経験)
FP1級を取得するには?
FP1級は複雑な制度となっていますが、取得するには単純に “実技試験” に合格する必要があります。
実技試験には、きんざい(金融財政事情研究会)の面接試験と、日本FP協会の記述式試験があり、どちらかに合格すればFP1級の資格を取得できます。
しかし、その実技試験を受験するために種々の要件が求められるため、試験制度を複雑に感じられる方が多いのです。
実技試験は、以下の要件のうちいずれかを満たせば受験することができます。
・1級学科試験の合格者※1
・日本FP協会のCFP認定者
・日本FP協会のCFP資格審査試験の合格者※1
・一般社団法人金融財政事情研究会のFP養成コース修了者※2で1年以上の実務経験※3を有する者
※1 合格日に一定の要件があります
※2 修了日に一定の要件があります
※3 「1年以上の実務経験」については修了の前後を問いません
CFP認定者試験については、日本FP協会HPにてご確認ください。
そして、実技の前段階にある “学科試験” については、以下の要件のうちいずれかを満たせば受験することができます。
・2級技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者※3
・FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者
・厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者※3
「FP1級取得までの流れ-図式」
FP1級の実務経験
さて、学科試験および実技試験を受験する際に求められる「実務経験」とは、どの程度、どのように審査されるのでしょうか。まず、実務経験は自己申告制です。そのため、何か実務経験を証明する書類等を提出しなければならないわけではありません(虚偽・不正があった場合は、合格の取消し等を行うことがあります)。
詳細の要件はきんざいHPにてご確認いただきたいのですが、ここに挙げられている具体例でも、ピンとこない方はいらっしゃると思います(私も????状態でした)。私は金融機関の継続年数が1年に満たないときに受験したのですが、学生時代に「塾講師」をしており、そこで経理(会計処理)および経営戦略について相談を受けるといったお仕事をしていました。「塾講師」をしていただけだとFP1級の実務経験をクリアすることはできないと思うのですが、そこでの経理経験・経営相談のお仕事が実務経験に該当するのかどうか気になったため、受験前に一度きんざいの窓口へ問い合わせてみました。
==問い合わせた内容を再現==
私「すみません、FP1級の受験要件である『実務経験』について、少しお尋ねしたいのですが。」
きんざい窓口「はい、なんでしょうか。」
私「学生時代に塾講師のアルバイトをしており、講義を執り行うだけでなく、その塾の経理や経営戦略の相談にのるお仕事をしていたのですが、これは『実務経験』として数えてもよろしいのでしょうか。」
きんざい「…少々、お待ちください」
私「(さすがに、金融機関として勤め上げていなければだめだよなぁ…)」
きんざい窓口「お待たせいたしました。そうですね、そのような経歴をお持ちであれば『実務経験』と数えても差支えありません。」
私「あれ? そうなんですね?」
きんざい窓口「はい。大丈夫です。」
私「ちなみに、その塾(会社)は現在つぶれてしまっていて、特段証明できるものを提出できないのですが…」
きんざい窓口「自己申告制なので問題ありません。ただし、それが虚偽または不正があった場合はその限りではありませんが。」
私「なるほど、そうなんですね。ありがとうございました。」
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というわけで私の場合は特殊な経歴でしたが、FP1級の受験要件である「実務経験」は広い意味でとらえて良さそうです。ただし、金融機関にお勤めであった期間が一定以上あるとか、コンサルティング・経理経験が一定以上あるといった具合に、確信をもって「実務経験がある!」と言える経歴をお持ちでない方は、一度問い合わせてみることをおすすめします。