2.FP1級の試験対策(資格・受験勉強法)
パレートの法則(受験・資格試験すべてに言える法則)
FP1級に限らず、試験勉強全般に言える法則が “パレートの法則” です。例えばお店を経営したとき、「売上の80%は20%の常連客」「売上の80%は20%の人気商品」といった具合に、重要な要素は偏重する傾向があり、これが経済学者であり社会学者であったパレートの掲げた法則の概要です(詳細は割愛します)。
これを試験に応用すると「試験に出題されることの80%は教科書の20%」といった具合に、重要な要素が偏重することが言えます。具体的には、「繰り返し繰り返し “重要なこと” を問うている問題集や過去問を徹底的にこなしていくことで、試験においても80点はとれる」ことが期待できるのです。たしかに、試験作成委員の立場に立って考えれば、すべて新しい問題だけで試験を構成すると労力がかかりますし、また合格点(合格率)を調整するためにも、新規の問題ばかりだと受験者の正答率も正確に予想できません。
①新しい問題を作成する労力を省く、②合格点(合格率)を例年並みに揃えたい という試験作成委員の気持ちから、多くの試験問題では過去問ベースで出題がされるため、過去問または問題集を徹底的にこなしていくことが重要になります。
FP1級の試験対策
FP1級に合格するためには、2段階の試験に合格する必要があります。1次の学科試験ではマーク式(基礎)と記述式(応用)が行われ、60%を合格点として求められます。2次では面接形式(きんざい)か記述形式(FP協会)のどちらかを合格する必要があり、一般的には面接形式(きんざい)を受験される方が多いようです。面接形式の試験では、独立系FPとして活躍されている試験官により口頭諮問が行われるため、FPとしての資質を本格的に見極められます。資格取得後の活動にも役立つため、2次では面接形式を受験することをおすすめします。
FP1級においても上記のパレートの法則があてはまり、問題集・過去問を徹底的にこなしていくことが重要になります。むしろFP1級の場合は、他の試験よりも過去問に偏重した学習計画を立てることが(かなり!)重要になります。理由は以下の2点です。
①難問・奇問と、基本問題の格差が激しい
学科試験のうち基礎(マーク式)の方では、難問・奇問が多めに出題される傾向があります。一方で、選択肢のうち “確実に間違っている” “確実に正解である” という基本的な選択肢も多く見受けられるため、それらの選択肢を確実に見極めていくことが重要です。そのためにも、過去問・問題集を徹底的にこなすことが合格への近道となります。
※基礎(マーク式)では、近年の金融情勢や法令改正といった最新情報が問題として出題されることも多いので、試験前にはこれらの情報をチェックすることも大切です。
②応用問題で、過去問の焼き直しが多い
学科試験のうち応用(記述式)の特徴は、とにかく過去問の焼き直しが多いという点です。記述式なので、多くの受験者は「難しいのかな…」「できないだろうな…」と考えがちですが、記述式の方が圧倒的に簡単です。私も過去問5~6年分と問題集を、何回も何回も演習した記憶がありますが、当日では見たことのある問題ばかりが出題されました。これは私の受験したときがたまたまそうであったからでなく、FP1級試験において通説となっています。
そのため、徹底した過去問演習が合格への近道であると私は感じています(もちろん、ご自身にあった勉強法をとることが一番です!)。難関である学科試験では、基礎(マーク式)50%、応用(記述式)70% を目標にすべきというのが通説です。私の場合は、基礎(マーク式)40%、応用(記述式)80% を目標としてめざし、応用問題(記述式)の過去問を徹底的にこなすことが学習の中心でした。