1.FP1級の価値・難易度
FP1級の価値について
ファイナンシャル・プランナー(Financial Planner:略称FP)は、顧客である個人から、収支・負債・家族構成・資産状況などのソース提供を受け、それを基に住居・教育・老後など将来のライフプランニングに即した資金計画やアドバイスを行う職業・職種、およびその職に就く者のことです※1。これら幅広い金融知識を証明する国家資格こそ、金融財政事情研究会(以下、きんざい)と日本FP協会(以下、FP協会)の所管する、『ファイナンシャル・プランニング技能士検定』です。この資格は、銀行や保険会社といった金融機関にお勤めの方はもちろんのこと、いまでは専業主婦や学生さんにも人気の高い資格となっており、ユ-キャンサイト人気講座でもベスト3にランクインしております※2。独立開業を目指せるだけでなく、生涯かけて役立つ資格というのも相俟って、受験者数の推移は増加傾向にあります。
※1 Webサイト「wikipedia-ファイナンシャル・プランナー」
※2 Webサイト「ユーキャンサイト人気講座 年間ランキングTop30」
「FP協会HP FP技能士の取得者数及び試験結果データ *1月実施分」
『1級ファイナンシャル・プランニング技能士検定(以下、FP1級)』の価値ですが、これは企業内FPと独立系FPで評価は分かれると思います。企業内FPは、銀行・保険・証券会社といった金融機関・そのほか会社にお勤めの方がFP資格を取得することです。一方で独立系FPとは、FP資格を取得した後、個人事業主あるいは経営者としてFP事務所(会社)等を生業としていくことです。
私も生命保険会社に勤めながらFP1級を取得しましたが、保険・銀行・証券会社といった金融業界にお勤めの方であれば、一定の高い評価は得られます。場合によっては資格手当も給付されたり、ある一定のポストにも近づくことが考えられます。独立系FPとして活躍される予定であれば、FP1級は持っていて当たり前、求められるのはそれ以上の専門性と能力…といった具合になりますが、それでも法人の社長さまとお会いしていると “先生” と呼ばれるほどの専門性になります(それだけに責任とやりがいのあるお仕事になりますね)。
そのため、FP1級を取得する価値は大いにある と私は考えていますし、取得することで独立開業を目指すことができる資格だと捉えています。
FP1級の難易度
最高難易度のFP1級に関する情報は非常に少なく、ネットが行き届いている現代でも試験に関する詳細な情報は出回っておりません。また、参考書の数も少なく、予備校でも講座を請け負っているところはごく僅かで、勉強法や試験対策においては極度の情報戦となっているのが現状です。
「FP協会HPより FP1級学科合格者数及び合格率推移」
FP協会の調べによりますと、FP1級(学科)の合格率は例年10%前後で推移しています。ですが、受験するためには「金融機関等の勤務経歴※3」や「FP2級合格者」といった要件※4が求められるため、実質的には10%よりも厳しい合格率だと感じる方が多いと思います。
※3 金融機関等の勤務経歴については、別投稿の『FP1級受験資格(実務経験)』で記載予定です。
※4 受験要件については きんざいHP等で詳細をご確認ください。
「きんざいHP FP1級実技-資産設計業務合格率」
また、面接形式で行われるFP1級(実技:資産設計業務-きんざい)の合格率は、例年80%前後です。この合格率の高さから対策を練らない受験者もある程度出てくるのですが、実技を受験するためには合格率10%前後の学科試験などを乗り越えなければならないため、実技を受験する方は総じて金融リテラシーが高いです(なので、油断は禁物です!)。このほか実技は、FP協会の管掌する筆記試験を受験することもでき、比較的合格率はこちらの方が高くなっております。
FP1級は国家資格であるため難易度は他の資格試験よりも高いのですが、合格するためにはコツがあります。
このHPではFP1級の複雑な試験制度をまとめるにとどまらず、具体的な使用教材を挙げた勉強法、2次試験(面接)の様子や問われやすい質問事項等々、私が色々試験について調べあげた上で「受験する前に知っておきたかった…」と感じることを掲載しております。このHPの情報が、皆さまの受験勉強の一助となり、合格を勝ち取っていただければこれに勝る幸いはございません(がんばりましょう!)。