５．投資先を判断する指標
投資は難しくない！投資先を決める指標はまず１つ！
「投資をしてみようかな…」と思っても、できるだけ損はしたくないですよね。そこで今回は、投資先を判断するにあたって、私が重点を置いている指標の一部をご紹介します。ここでお話するのは、あくまで『投資』の話であって『投機』は含みません。※『投資』と『投機』の違いを知りたい方は、１．お金の増やし方についてをご覧ください。
まず私が一番大切にしている着眼点ですが、これは預け先の “人口” です。日本に預けるのであれば日本の人口推移、アメリカに預けるのであればアメリカの人口推移に着眼点を置き、将来30年～50年先にかけて人口が増加していくか否かをチェックします。では、なぜ “人口” に着目するのが良いのでしょうか。
パン工場を例に考えてみましょう。パン工場のパン生産量を上げるためには、①技術進歩、②導入機械の数、③労働力といった３つの大きな要因が関わってきます。
①技術進歩
導入機械の作業効率についてです。１時間に100個つくれる機械を導入しているパン工場よりも、１時間に1,000個つくれる機械を導入しているパン工場の方が生産性は高く、それだけ売り上げに寄与します。
②導入機械の数
導入している機械の数についてです。導入している機械が1台ある工場よりも、導入している機械が10台ある工場の方が生産性は高く、それだけ売り上げに寄与します。
③労働力
工場で働いている労働者の数についてです。労働者が10人いるパン工場よりも、労働者が100人いるパン工場の方が生産性は高く、それだけ売り上げに寄与します。
上記①～③のうち、①技術進歩、②導入機械の数については投資家はどうすることもできません（絶対に不可能というわけではありませんが、現実的に厳しいものです）。そのため、注目したいのは③労働力になるのですが、こと投資信託や確定拠出年金等で預け先を検討するときは、その国の人口がすなわち労働力と考えても良いです（もちろん厳密には異なりますが）。このことから私は、投資の預け先を検討するときに、その国の人口推移をチェックすることを推奨しているのです。
投資の預け先おすすめ（≒ “買い” な国）はどこ？
預け先を選定するとき、将来30年～50年先にかけて、人口が増加していく国を選定するのが１つの視点だとお伝えしました。では、どういった国々がおすすめなのでしょうか。以下のグラフをご覧ください。
総務省統計局の調べによれば、2017年現在の世界人口および2050年までの世界人口の推移予測はこのようになっています。みてみると、青色のアジア、および緑色のアフリカが激しく人口が増加すると予想される地域です。そのため、投資信託や確定拠出年金の預け先である『新興国株式』となっているものは、非常に高いリターンが期待できます。一方で、『新興国株式』は政治的・経済的リスクも高いため、注意が必要です。
そのほか人口が増加すると期待されるのは、アメリカでしょうか。アメリカは多文化社会であることも相俟って、合計特殊出生率が先進国の中でも高いです。言い換えれば、アメリカの人口は徐々に増加しており、まだこれからも増加すると言われているのです。
他にももちろん、投資先を選定するにあたってはさまざまな指標があり、例としては財務分析や証券分析、そのときどきの消費傾向などが挙げられます。一概に「これがいい！」と断定することはできませんが、まず迷ったらゆっくりと時間をかけて、人口の増加が期待できる国に預けてみてはいかがでしょうか。