3.不動産投資のシミュレーション:概要は?

不動産投資で利益を獲得する方法は、前講の2.不動産投資の仕組み(やり方)でまとめたとおりです。不動産投資は、堅実に安定した利益を獲得したい方向けの投資対象といえますが、実際のところいくら払っていくら返ってくるのでしょうか。

不動産投資の平均的なシミュレーション

「30才男性が1,750万円のワンルームマンション1室を購入し、35年間経営した」という、ごく一般的なケースで計算してみましょう。

マンションの1室を購入してから、生涯に渡って賃料を受け取るまでを図式化すると、上のような図となります。支出を考えてみると、銀行から35年ローンを借り入れているため、30~65才までは毎月7万円ほど支払うこととなりますが、65才以降のローン返済はありません

一方で収入は、30才から55才頃にかけて、賃料収入が逓減していきます(最初のうちは7万円ほど賃料を受け取れていたのが、段々と緑色の範囲が減っていってますね!)。55才以降は、賃料収入は5万円で下げ止まり、安定した収入を得ることができます。

不動産投資も、会社によって、物件によってそのシミュレーションは異なってきますが、一般的に “買い” だと言われている不動産投資のシミュレーションはこのようになっているのです。

受け取れる家賃が減少しているのはなぜ?!

上の図をご覧の方は、「あれ?なんで受け取れる賃料が減っていってるの?!」と考える方もいらっしゃいますよね。この点についてまとめておきます。

不動産の減価償却に伴って減少するもので、いわば「新築物件も、年数がたてばたつほどボロくなるよね。だから家賃も下げないと、借り手がつかなくなっちゃうよね。」ということを考慮しているためです(同じ値段で、新築のマンションと築30年のマンションが貸し出されていれば、新築のマンションを選択してしまいますよね。)。

一般論ですが、建物の価値は購入後25年かけてゆっくりと逓減していき、その下落率はおよそ1%と言われています。したがって、購入当初7万円の賃料を受け取れる物件であっても、25年かけて1%ずつ価値が逓減するため、その受取り賃料は5万円となります(不動産投資に失敗するのは、「不動産の価格は下落していく」ということを考慮していなかったという方が多いです)。

また、築25年以上は価格が下げ止まる、というのが通説です。都内でワンルームマンションを購入した場合、どんなにボロいアパートであっても、勤労学生さんや出稼ぎにきた外国人の方々などから一定の需要が湧きます。これが、賃料収入が下げ止まる理由なのです。

まとめ:銀行へのローン返済後は、賃料収入を受け取るのみとなり、これが不動産投資のリターンになります!賃料収入は、購入後約25年かけて下落するも、25年後は一定の収入が期待できます!

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