2.株式投資・投資信託は副業禁止規定に引っかかるか?




 

投資は副業禁止規程に引っかかる…?

結論から申し上げますと、投資が副業禁止規程に引っかかることは稀ですし、以下の2点から「副業禁止規程があろうとも投資をやることはOK!」だと言えます。

①一般的に、投資=副業 ではない
そもそも会社が副業禁止規程を設けるのには、「就業時間外で職場外の仕事を行うことで、自分の職場に支障があっては困る!」との趣旨が背景にあります(仕事中にボーッとされても困りますよね)。そのほか、給与・交通費等の計算上、副業をされては事務作業が煩雑になってしまうことがあります。これらを防ぐため、雇用契約を結ぶ際に「副業はしませんよ~」と約束をかわすのです。

ただ、投資は資産運用であり、副業することではありません。そもそも、教育資金・老後の生活・将来の夢のために、寝かせているお金を動かすことが副業とは言えないのは明らかです。副業禁止規程に反すると懲戒解雇の事由になりますが、前述のとおり投資は資産運用。副業禁止規程には該当しない、というのが通説となっています。

②国家が投資を推す中、投資を禁止する規程こそ怪しい
そもそも、金融庁ひいては国家が推進している「投資」を禁止する規程があった場合でも、それこそ違法ではないでしょうか(民法90条 公序良俗違反等、社会通念上許される範囲を超えている)。ソフトバンク株式会社はじめ、先鋭的な大手企業が副業をOKとする規程へ変更していたり、国が副業や定年年齢の引き上げを推している中で、投資まで禁止する規程があるのならばそれこそ問題になります。

これらのことから、副業禁止規程の有無にかかわらず、投資をするにあたり心配は必要ないのです。

(当然だけど)やってはいけないこと!

これらの話をした上で、当然ながらやってはいけないことを一部列挙しておきます。

①就業時間中に投資をしてはいけない
就業時間中は会社で働くのが仕事です(もちろんですよね)。いくら投資が褒められるべきものであっても、就業時間外で行う必要があります。また、会社のパソコンを通じて投資を行うことも、褒められたものではありませんね。

②ウソの申告をしてはいけない
「投資であれば副業にあたらないのか!」との考えで、実際に副業をしていて収入が膨らんでいるのを、「これは投資のせいです。投資で収入が増えたので、所得が膨らんでいるのです。」と総務部などに伝えている方もいらっしゃいます。これもNGです。

投資を行い、一定の利益が発生した場合には確定申告をする必要があります。確定申告とは、「一年間の所得がこれだけですよ~」と税務署に知らせ、必要に応じ税金を支払うことです(国民の義務ですね)。その確定申告書類に基づいて、総務部の人からも「あれ?これおかしいな?」と気づかれてしまいます。ですので、最初っからグレーなことはせず正当に行うことが望ましいです。また、副業を行うのであっても、前もって相談しておくのも良いでしょう(このご時世なので許されることも多いですよ)。

まとめ:投資は資産運用であり副業ではないため、副業禁止規程に引っかかることはありません。不安を感じたら、一度総務部等と相談することをおすすめします。

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