5.個人年金とは?

個人年金とは?

個人年金とは、一定の保険料を支払い続け、その積み立て額を原資として、老後の年金を受け取ることができる保険です。変額年金とは異なり、決められた利率で運用がなされるため、安定した成果を得やすいのが特徴です。

契約時から定年退職となる60才または65才までのあいだ保険料を支払い、保険会社の設定する利率をもとに将来の受取り額が算出されます。一般的に、コツコツと積み立てた年金原資を年金形式で受け取る方法、または一括でドンと受け取る方法を選択できます(一括で受け取る方も多いですよ)。

仕組みは分かりやすいのですが、注目したいのは利率です。マイナス金利については、0.【まとめ】資産運用のための保険商品で述べた通りですが、個人年金もこのマイナス金利の影響を受け、利率が低く設定されているものが多いです。保険会社によって異なるものの、以前の金利が1.0%であったものが、現在0.1%ほどになっているそうで、6.『複利』計算で、投資商品を購入すると…?で述べた複利の計算からすると、あまりお得感が無くなっているのが現状ではないでしょうか(480万円→490万円となるだけですね…)

個人年金は税金対策に効く?

別講でもまとめますが、民間の保険会社から保険に加入すると、「生命保険料控除」という節税ができます。「生命保険料控除」とは、生命保険等に加入した場合に、(上限はありますが)支払った金額に応じて所得税・住民税の減税がなされるものです。

上記の図のとおり、生命保険料控除には「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」があります「一般生命保険料控除」や「介護医療保険料控除」は、適用される保険の種類が多いため、保険に加入していると節税の上限まで簡単に届いてしまいます(なんだかんだで保険に加入している方は多いですものね)。一方、「個人年金保険料控除」については個人年金にのみ適用されるため、節税効果が比較的大きいのです。

さて、一見するとお得感のある保険料控除ですが、注意点があります。それは、保険料控除はそのままの額が減税につながるわけではない、という点です。やや複雑なのでかみ砕きますが、所得税の計算は(所得額-控除額)×税率で計算がなされます。そのため、年間12万円支払い(月1万円)の個人年金に加入していたとしても、所得税の控除上限額は4万円となり、それに税率をかけた額が実際の節税額なのです。たとえばH29年12月現在、課税所得金額が330万円~695万円の方ですと税率は20%なので、4万円×20%=8,000円ほどが実際の節税額となるのです。

これらをかんがみると、節税目的で個人年金に加入するのは50:50で悩みますよね。私自身は個人年金に加入していませんが、ご自身の判断で「少額でも安定して節税させたい!」という方にはもってこいではないかと思います。

まとめ:個人年金はマイナス金利の影響を受け、以前よりも魅力がなくなっているのが現状!節税目的で加入する場合は、どれだけのリターンがあるか試算してみることをおすすめします!

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